日本認知症学会

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学会概要

認知症学会とは

日本認知症学会は1982年に設立され、2005年に現在の名称に変更いたしました。認知症に関連する臨床および基礎の諸分野の科学的研究の進歩発展をはかり、その成果を社会に還元することを目的として、学術集会開催、学会誌発行等を行っています。

理事長挨拶


一般社団法人 日本認知症学会
理事長 岩坪 威

本邦で認知症の人の数は450万人、認知症の前段階と目される軽度認知障害(MCI)の人は550万人に達し、これらの数は今後もさらに増加すると予測されています。また本年、共生社会の実現を推進するための認知症基本法が実施され、認知症医学を一層充実させ、認知症の人が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすことができるように社会全体での取り組みを強化することは、ますます重大な課題となっています。

日本認知症学会は、基礎医学研究者ならびに認知症医療に関わる全ての診療科の臨床医に加え、薬剤師、看護師、介護やリハビリテーションの専門職、そして企業研究者や行政関係者までを包含する多職種の会員から構成される、世界的にも類のない学際的な医学会として発展を続け、会員数は現在6300名に達しさらに増加しつつあります。

近年、認知症性疾患に関する幅広い研究からもたらされた病態の解明に基づいて、アルツハイマー病(AD)のメカニズムに作用する「疾患修飾薬」の開発が進み、アミロイドβに対する抗体薬の臨床実用が2023年から2024年にかけて本邦でも達成されました。このような新規治療法の効能を見極め、適応となる皆様に適正な形で治療が届けられるのを支えることも、学会の重要な役割となって参ります。さらに、認知症に悩まれる多くの皆様に対し提供すべき最適なケアや生活・社会のあり方を幅広く、深く探索してゆくことも、認知症を主題とする学会の重要な使命となります。

このように認知症に対する社会からの要請が今までになく増大しつつある現状に鑑み、21世紀の認知症学を、生物医学に加えて人文・社会科学の要素も包含する総合的な脳科学として発展させるとともに、認知症の人とご家族、それをとりまく社会とわれわれ専門家が一丸となって、認知症との共生と、認知症のあらゆる段階における予防を実現して参りたいと念願しております。

日本認知症学会への皆様の積極的なご参加と、ご支援、ご鞭撻を心よりお願い申し上げます。